よくある質問
土壌障害で悩んでいるのですが?
【1】未熟堆肥や未熟有機肥料の施用による障害
〈原因〉
堆肥や有機肥料は、様々な長所があり、作物栽培上欠かすことができない資材です。
しかし、短所として、未熟な有機物の施用により、土壌の酸欠による根腐れをひきおこすことになります。また、未熟有機物の施用はカビ型土壌の原因ともなるため、根こぶ病や立枯病及び萎凋病などの糸状菌病(カビ病)を増加させることも多いです。
〈対策〉
有機資材の施用時は、作物に有害な作用を起こさないために「発酵処理した有機物」を施用するという「鉄則」を守ることです。
また、すでに根こぶ病や立枯病などが発生している場所では、下表のB又はC処方を行って病原菌の密度を減らしていくほうがよいでしょう。病害が重症の場合は、F処方の後、A処方を併用する方法もあります。
区分 | 項目 | 資材名と施肥量 | 方法備考と注意点 |
---|---|---|---|
A 処 方 |
障害発生予防 (基本的土作り) |
バクヤーゼ堆肥2000kg以上 ボカシ肥料150~500kg 炭資材150~200kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) |
←作付け20~30日前 ←作付け7~15日前 ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
B 処 方 |
土壌病害対策 (軽症時) |
A処方に追加して Mイーシー10~20kg (+米ヌカ50~100kg) 炭資材150~300kg |
A対処方参照 ←米ヌカ混合後、全面散布し耕起(作付け10~15日) ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
C 処 方 |
土壌病害対策 (重症時) |
A処方とB処方に追加して バイオ根助40~80リットル キトチンキ2~3リットル |
A・B処方参照 ←20~50倍で散水(作付け7~15日前) ←100~200倍で散水(作付け7~15日前) |
D 処方 |
酸欠と根腐れ対策 | 炭資材200~400kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) サンレッド (300cc入り) |
←全面散布又は層状施肥及び表層施用
←1000~2000倍で散水(常時使用可能) |
E 処 方 |
高塩基障害対策 | Mイーシー20kg (+米ヌカ80~100kg) 炭資材150~300kg |
←米ヌカ混合後全面散布し耕起(作付け10~15日前)
←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
F 処 方 |
土壌まるごと発酵 | Mイーシー10~20kg (+米ヌカ80~100kg) バクヤーゼK150~300kg |
左記資材を全面散布後、地表10~20cm耕起。十分にしみ込むまで散水し、古ビニール被覆。地中10cmの地温40℃以上で20~30日置く。 |
G 処 方 |
生育中の萎れ対策 | バイオ根助20~30倍液 リーフSG1000倍液 |
←1株当たり2~3リットル(1平方メートル当たり3~10リットル) ←葉面散布(1~2日置き2~3回) |
【2】土壌中の有効微生物の減少による障害
〈原因〉
土壌中の有効微生物は、有害な微生物の繁殖を阻害したり、有害微生物を捕食してくれます。また、作物が吸収し得なかった塩基類や作物の根から分泌された有機酸や老廃物を餌として取り入れ、作物の栄養成分に組替えることも有効微生物の大きな仕事でもあります。
〈対策〉
土壌中に有効微生物が豊富に存在することで、土壌病原微生物の減少、高塩基障害の対策、嫌地現象の改善を同時に行うことができるので下表のA処方で対応することになります。また、有効微生物を土壌中に増殖させるための条件としては、「餌」と「住処」も土壌中に十分に確保してやることが大切となります。具体的対策は、下表のB処方を行っていただくとよいでしょう。
区分 | 項目 | 資材名と施肥量 | 方法備考と注意点 |
---|---|---|---|
A 処 方 |
障害発生予防 (基本的土作り) |
バクヤーゼ堆肥2000kg以上 ボカシ肥料150~500kg 炭資材150~200kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) |
←作付け20~30日前 ←作付け7~15日前 ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
B 処 方 |
土壌病害対策 (軽症時) |
A処方に追加して Mイーシー10~20kg (+米ヌカ50~100kg) 炭資材150~300kg |
A対処方参照 ←米ヌカ混合後、全面散布し耕起(作付け10~15日) ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
C 処 方 |
土壌病害対策 (重症時) |
A処方とB処方に追加して バイオ根助40~80リットル キトチンキ2~3リットル |
A・B処方参照 ←20~50倍で散水(作付け7~15日前) ←100~200倍で散水(作付け7~15日前) |
D 処 方 |
酸欠と根腐れ対策 | 炭資材200~400kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) サンレッド (300cc入り) |
←全面散布又は層状施肥及び表層施用
←1000~2000倍で散水(常時使用可能) |
E 処 方 |
高塩基障害対策 | Mイーシー20kg (+米ヌカ80~100kg) 炭資材150~300kg |
←米ヌカ混合後全面散布し耕起(作付け10~15日前)
←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
F 処 方 |
土壌まるごと発酵 | Mイーシー10~20kg (+米ヌカ80~100kg) バクヤーゼK150~300kg |
左記資材を全面散布後、地表10~20cm耕起。十分にしみ込むまで散水し、古ビニール被覆。地中10cmの地温40℃以上で20日間以上置く。 |
G 処 方 |
生育中の萎れ対策 | バイオ根助20~30倍液 リーフSG1000倍液 |
←1株当たり2~3リットル(1平方メートル当たり3~10リットル) ←葉面散布(1~2日置き2~3回) |
【3】化学肥料の多量施肥や頼りすぎによる障害
〈原因〉
化学肥料の長所は、経済的メリット・作業性のメリット・即効性のメリットです。これを生かした施肥は、農業経営上必要なことです。しかし、化学肥料に頼りすぎた施肥は、土壌の有効微生物の減少を招くと共に高塩基障害や嫌地現象の引き金を引く事になります。また、「ク溶性成分(水に溶けない成分)」とは、「効きにくい成分」と直訳できますが、このく溶性成分も高塩基障害の原因となっています。
〈対策〉
下表のA処方のような発酵有機資材と組み合わせた施肥管理を行い、障害の発生防止を行います。また、すでに高塩基障害(EC値1.0以上)発生圃場や嫌地現象が現われている圃場では下表のE処方とA処方の併用が有効です。肥料の生産業者保証票欄に「ク溶性成分」と表示の肥料は採用しないことも経済的メリットになるでしょう。
区分 | 項目 | 資材名と施肥量 | 方法備考と注意点 |
---|---|---|---|
A 処 方 |
障害発生予防 (基本的土作り) |
バクヤーゼ堆肥2000kg以上 ボカシ肥料150~500kg 炭資材150~200kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) |
←作付け20~30日前 ←作付け7~15日前 ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
B 処方 |
土壌病害対策 (軽症時) |
A処方に追加して Mイーシー10~20kg (+米ヌカ50~100kg) 炭資材150~300kg |
A対処方参照 ←米ヌカ混合後、全面散布し耕起(作付け10~15日) ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
C 処 方 |
土壌病害対策 (重症時) |
A処方とB処方に追加して バイオ根助40~80リットル キトチンキ2~3リットル |
A・B処方参照 ←20~50倍で散水(作付け7~15日前) ←100~200倍で散水(作付け7~15日前) |
D 処 方 |
酸欠と根腐れ対策 | 炭資材200~400kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) サンレッド (300cc入り) |
←全面散布又は層状施肥及び表層施用
←1000~2000倍で散水(常時使用可能) |
E 処 方 |
高塩基障害対策 | Mイーシー20kg (+米ヌカ80~100kg) 炭資材150~300kg |
←米ヌカ混合後全面散布し耕起(作付け10~15日前)
←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
F 処 方 |
土壌まるごと発酵 | Mイーシー10~20kg (+米ヌカ80~100kg) バクヤーゼK150~300kg |
左記資材を全面散布後、地表10~20cm耕起。十分にしみ込むまで散水し、古ビニール被覆。地中10cmの地温40℃以上で20~30日以上置く。 |
G 処 方 |
生育中の萎れ対策 | バイオ根助20~30倍液 リーフSG1000倍液 |
←1株当たり2~3リットル(1平方メートル当たり3~10リットル) ←葉面散布(1~2日置き2~3回) |
【4】土壌改良材の乱用と多量施用による障害
〈原因〉
土壌改良材とは、土壌を「改良」するために用いられる資材ですが、しばしば「土壌改悪材」になっていることがあります。事例として、トマトやハクサイ栽培で問題になる「カルシウム欠乏(石灰欠乏)」の対策として、無機質の炭カルや苦土石灰及び有機由来の貝化石や貝殻粉末などの土壌改良石灰質資材の多量 施用や連続施用により、土壌がPH7以上にアルカリ化してしまい、生理障害が発生したり、石灰過剰による苦土欠乏と微量 要素欠乏を引き起こしている場合があります。不要な土壌改良材の多量施用は、高塩基障害と嫌地現象を招く元にもなるので注意が必要です。
〈対策〉
多種多様の土改材が出回っている中で、どの資材が効果的なのか、適量はどのくらいなのかを見極める目が必要になってきます。
Mリンシステムでは、有機的土壌改良を基本にし、不必要な土改材に頼らない土造りが作物栽培に最も適していると考えています。 基本資材である「バクヤーゼ発酵堆肥」を中心とし、各種障害の対策は下表の項目覧を参照していただき、有効かつ的確な資材を選定することで、土壌消毒の必要のない健全な土壌を維持してもらいたいと思います。
区分 | 項目 | 資材名と施肥量 | 方法備考と注意点 |
---|---|---|---|
A 処 方 |
障害発生予防 (基本的土作り) |
バクヤーゼ堆肥2000kg以上 ボカシ肥料150~500kg 炭資材150~200kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) |
←作付け20~30日前 ←作付け7~15日前 ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
B 処 方 |
土壌病害対策 (軽症時) |
A処方に追加して Mイーシー10~20kg (+米ヌカ50~100kg) 炭資材150~300kg |
A対処方参照 ←米ヌカ混合後、全面散布し耕起(作付け10~15日) ←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
C 処 方 |
土壌病害対策 (重症時) |
A処方とB処方に追加して バイオ根助40~80リットル キトチンキ2~3リットル |
A・B処方参照 ←20~50倍で散水(作付け7~15日前) ←100~200倍で散水(作付け7~15日前) |
D 処 方 |
酸欠と根腐れ対策 | 炭資材200~400kg (又はクン炭ボカシ20~30袋) サンレッド (300cc入り) |
←全面散布又は層状施肥及び表層施用
←1000~2000倍で散水(常時使用可能) |
E 処 方 |
高塩基障害対策 | Mイーシー20kg (+米ヌカ80~100kg) 炭資材150~300kg |
←米ヌカ混合後全面散布し耕起(作付け10~15日前)
←全面散布又は層状施用及び表層施用 |
F 処 方 |
土壌まるごと発酵 | Mイーシー10~20kg (+米ヌカ80~100kg) バクヤーゼK150~300kg |
左記資材を全面散布後、地表10~20cm耕起。十分にしみ込むまで散水し、古ビニール被覆。地中10cmの地温40℃以上で20~30日以上置く。 |
G 処 方 |
生育中の萎れ対策 | バイオ根助20~30倍液 リーフSG1000倍液 |
←1株当たり2~3リットル(1平方メートル当たり3~10リットル) ←葉面散布(1~2日置き2~3回) |